ピッキング、工具所持だけで逮捕…新法試案 2003.1.16



 ピッキングと呼ばれるカギをこじ開ける侵入窃盗が急増していることから、警察庁は16日、ピッキングに使う特殊な工具を所持しているだけで、逮捕や処罰の対象とする新法試案を公表した。  鍵メーカーにも鍵の防犯性能表示を義務づけ、防犯対策にも踏み込んだ内容となっている。来月末までに法案化し、通常国会に提出する。  試案によると、ピッキングの特殊工具や、鍵穴を壊す専用ドライバーなどの「開錠専用工具」を正当な理由なく持っていた者に懲役も含む刑罰を科し、悪用されることを知りながら工具を売った者は、さらに重い刑罰の対象にする。  バールやドリルなど侵入時に使われる工具は「特定侵入工具」に指定、隠し持つことを禁止している。  現行の軽犯罪法は、ピッキングに使う工具類を持っていただけでは摘発できず、隠し持っていることが条件。また、同法は「拘留または科料」という刑罰しかないため、違反者の取り調べも限定され、工具を持っている窃盗団を見つけても逮捕できなかった。  法制化されれば、特殊工具が置いてある窃盗団のアジトなど、犯行前に摘発することも可能になる。  一方、鍵メーカーや輸入業者には、鍵をこじ開けるまでの時間の表示を義務づける一方、鍵取り付け業者や開錠業者に客の本人確認を義務づける。ただ、業者に対しては罰則のない努力規定にとどめ、適切な表示をしていない場合などに限って、国家公安委員会が勧告や是正を命じることができるとしている。  住宅などへの2001年の侵入窃盗は、10年前より30%多い30万3698件に上り、侵入強盗も同様に2倍以上の2335件を数えた。警察庁は、これらを「侵入犯罪」と位置づけ、今年から、抑止対策に乗り出している。[読売新聞]