官民合同で犯罪対策を ◆県警が研究会、全国初 2003.2.14 神奈川新聞
凶悪・粗暴化、巧妙化する新手の犯罪手口の防犯対策について多角的に検討するため県警は十三日、社団法人日本防犯設備協会の協力で「県犯罪防止対策研究会」(座長・清永賢二日本女子大教授)を発足させた。官民合同の同種の研究会は全国初という。今後、ハード・ソフトの両面で、防犯対策について知恵を出し合う。
県内では、建設重機利用の現金自動預払機(ATM)荒らしや横浜・中区の現金輸送車襲撃事件など犯罪の特異・凶悪化が進む一方、ドア施錠用金具(サムターン)を特殊な工具で回して解錠する空き巣手口の「サムターン回し」や「カム送り解錠」など新手の犯罪が急増している。
刑法犯の認知件数は八年連続で戦後最悪を更新し、昨年は四五・四人に一人が何らかの被害に遭っている計算になるという。
こうした犯罪を防ぐため、研究会では鍵や警備、防犯設備など民間の専門家から知恵や知識を出してもらうのが目的。県警は、街頭犯罪等抑止総合対策の一環として、犯罪の起きにくい「安全・安心まちづくり」の"シンクタンク"として期待している。
メンバーには、県内在住の防犯設備士をはじめ、女性防犯組織やNPO(民間非営利団体)、大手デベロッパー、警備会社の代表、防犯器具関連業者らが参加、県内各署に配置した生活安全アドバイザーを含めて約百四十人で構成する。
今後、連携を深めネットワークづくりを進めるとともに、空き巣被害などの増加が予想される夏休み期間に向け、対策も検討。秋の全国地域安全運動などで、メンバーが警察官と一緒に家庭を回り、防犯診断を実施することなども検討するという。
発足式と検討会は十三日、県警本部で行われ、清永教授が「安全・安心からみたセキュリティーネットワークの組み立てと将来」と題して講演。「単に防犯カメラを設置するだけではなく、向こう三軒両隣と普段から声を交わし、お互い留守中に注意し合える信頼づくりが大切」と強調した。
マンションなどの建設の際、事業主が防犯カメラや施錠装置の設備設置について地元警察署と事前協議するよう指導した街づくり条例が県内市町村で相次いで制定されているのを受けて、各署の生活安全アドバイザーと、県内在住の防犯設備士の連携についても話し合った。